
作業期間は7月9日から3日間だった。
アーティストによっては同程度の面積で2週間かかる場合もあるそうだが、今回は下塗りもない上、アーティストが早描きの人だったため、あっという間に出来上がった。

ミューラルというのは壁画のことだが、古くは洞窟画にはじまり、中世の教会壁画や天井画、近代のプロパガンダから現代の落書きまで、あらゆる壁の上に描かれた絵を言う。
昨年、イギリスではバンクシーと言うグラフィティーライター(落書き屋)の描いた落書きがオークションにかけられ、4700万円もの値が付けられた。

「落書き」と言ってもバンクシーのそれは、技術力も表現力も豊かで主張(メッセージ)もあり、イギリスではちょっとした英雄ですらある。
こういったグラフティライターたちは、難易度の高い場所に挑戦することを誇りとし、その場所が難しければ難しいほど、描き手の価値、絵の価値も上がるのだそうだ。

さて、わが新検見川のミューラルアートは、地域興しなども手がけるNPO法 KOMPOSITIONがコーディネートするリーガルウォールであり「違法な落書き」ではない。有名な桜木町高架下壁面のミューラルも彼らが手がけた。
アーティスト高木耕一郎さんは、サンフランシスコやニューヨークで活動後、現在は日本在住。

個展をすれば作品は数日で完売という売れっ子アーティストだ。
新検見川界隈を歩いた高木さんは、吉田鉄郎デザインの検見川送信所に惚れ込み、建物の保存復活を願って壁画の中にも登場させている。神秘的な古代蓮は助っ人アシスタント・ナヲヨさんが描いてくれた。

茄子のような鶏を抱く、一見怪しげな生き物は、土着的な精霊をイメージしており、全体としてはこの地の古きスピリットと新しいスピリットが融合調和し発展していく祈り・・・というようなイメージだそうだ。

ちなみに送信所の横に描かれた不思議な手のサインは「手話」でTKG。「TaKaGi」アーティストのサインである。へぇ〜!
欧米、例えばサンフランシスコなどでは、ミューラルアートが施された一帯が観光地化し、観光客が訪れる名所になっている。新検見川も陸橋や地下道を始め、大きな壁をもつ商業施設などが壁を提供し、そんな「観光名所」になったら町のエネルギーも変わって面白いだろうにと思う。


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